過剰なコスト削減を求められてどうしても品質が下がってしまう
また海外の車両メーカーや部品サプライヤーも、同様に深刻な問題を抱えている。それは過剰なコスト削減による品質と経営力の低下だ。特に、部品サプライヤーの状況は極めて厳しい。コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループも、次のようなレポート(二〇〇四年五月二〇旦を発表している。「自動車製造メーカーによるコスト削減圧力により、世界の大手サプライヤーは、年平均三%の価格低減を、約一〇年間継続して行ってきた。
当然ながらサプライヤーの財務状況は悪化し、合併を余儀なくされたり、倒産寸前まで追い込まれる企業も出てきた」さらに、同レポートは一次、二次サプライヤーは、二〇一〇年までに現在の三分の一に減少するだろう」と予想し、こう続ける。一次、二次サプライヤー数は世界全体で減少傾向にあり、二〇一〇年には現在の一五〇〇~二〇〇〇社から五〇〇~七〇〇社に減少し、製造メーカーと直接取引きするシステムインテグレーター(筆者注・構成部品のユニット化ができる部品サプライヤー)は、わずか一〇〇社ほどになると考えられる」
当然、このような部品サプライヤーの再編は、日本とて例外ではない。車両メーカーによるコスト削減は、中国やインドのような低賃金国の台頭で、ますます過酷になってくることが予想される。そうなると、国内の二次、三次の部品サプライヤーでは、さらに空洞化が進むことが予想される。その結果として、現在起こっているような部品サプライヤーの単純ミスはますます増えることが予想されるのだ。このように、部品ということを考えると、大手部品サプライヤーはともかく、二次、三次の部品サプライヤーの品質問題が悪化するのは確実だ。
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品質のカギを握る制御用ソフト電子化技術を広範に取り入れながら、品質の問題をそれほど起こさずにきたのがトヨタだ。トヨタはデンソー、アイシン精機などの関連部品サプライヤーを傘下にして脇を固めてきたが、電子化の時代に、そのような系列体制が再び力を発揮しようとしている。
一九九七年に世界に先駆けて発売したプリウスの開発プロセスを詳細に見てゆくと、関連メーカーとともに電子化の流れを積極的に捉えようとしたトヨタの姿が鮮明に浮かび上がってくる。トヨタのハイブリッドカー「プリウス」の誕生は、まさに新しいタイプのクルマを作る攻めのプロジェクトだった。トヨタがハイブリッドの開発を検討し始めたのは九三年頃のことだ。トヨタはすでにその頃、二一世紀を睨んだクルマを作ろうと「G21プロジェクト」を立ち上げている。
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